前回のあらすじ
失業給付の受給資格認定面談で、心療内科の診断書(抑うつ状態・不眠症)や自立支援医療制度受給者証が根拠にもなり正当な理由の退職として特定理由離職者には認めてもらえそうだが、主に会社の倒産などのケースで該当する特定受給資格者にはなりそうにない事が面談でわかってくる。そこで職員さんから「就職困難者」の説明を受け始める。
就職困難者とは正確には「障がい者等の就職が困難な方(就職困難者)」の事で1. 身体障害者、2. 知的障害者、3. 精神障害者、4. 刑法等の規定により保護観察に付された方、5. 社会的事情により就職が著しく阻害されている方などが該当する。これらは本来、障害者手帳などを持参して自分で申請するようなものらしく、ネットで調べた時も「これには該当しないな。」と軽く情報をスルーしていたぐらいだったが職員さん曰く、自分のこんな状況から該当するかもしれないと思って教えてくれたという。
- 退職の2ヵ月以上前から心療内科に通院をしていて退職日以降(※退職日以降ハローワークに来るまで)も通院しているのが病院の領収書によって確認できた。
- 退職前からの症状状態が心療内科の診断書によって確認できた。
- 自立支援医療制度を利用している。
特に自立支援医療制度を使っているということは定期的な治療を必要としている状態として見られるということらしく「これならいけかもしれません、絶対とかではないんですけど…」と言ってくれた。ここから重要なミッションが渡される。ハローワークでもらう「就労可能証明書」に通院している心療内科の就労可能の記入をもらう事だ。これも各自治体によって書式が若干ことなるらしいが幾つかのポイントがありそれも職員さんは丁寧に教えてくれた。
まず、就労可能証明書でよく見られるところは以下の点とのことだった。
- 以前から現在にいたるまでの症状名
- 退職前からハローワーク面談前日まで通院していて今後も通院が定期的に必要なこと。
- 現在は週に20時間以上は働くことが可能な状態であること。
まず、病名だが自分の場合は2ヵ月前に医師からもらった診断書には「抑うつ状態・不眠症」だったが、これでは実際の提出の際には駄目だという事らしい。精神障害と認定されるにはうつ状態ではなく「うつ病」と就労可能証明書に記載してもらう必要があるそうだ。これは職員さんも違いがよくわからないが厚生労働省の認定に関してのルールで定められているので、しっかりとうつ病と書いてもらわなければいけないらしい。後に心療内科にてその違いを聞くと、「うつ状態」というのは初診や2~3回目の時に診断する場合が多い「うつ病とみられる症状が出ている状態」でそれにより明らかな身体的症状が出てない場合はこう診断されることが多いそうだ。これはあまりこういった状態になったことが無い人がいきなり「うつ病」と診断されることでストレスを感じてしまう事への配慮もあるのだとか。確かに僕が診断書を貰った時も2回目の通院の時だった。逆に「うつ病」とは鬱の状態が一定期間続き、それによって身体にも影響がある状態で診断されることが多く、医師にこの紙を書いてもらう際に確認したら自分の場合は診断書から2ヵ月ほど経っていて、不眠症にもなっているので言い方はおかしいがうつ病と診断しても問題がないとのことでうつ病と記入してもらった。
次に病気の期間だが、在職中から面談日の前日までその症状が続いていて今後も通院が必要な事などを記入してもらう必要がある。ここで大事なのは面談日の前日までというところで、面談日以降を書いてしまうと「現在も働ける状態では無い」と見られてしまうかもしれないとの事だった。そうすると雇用保険の失業手当の条件に該当しなくなってしまうので、あくまで面談日よりも前はうつ病だったけど今は通院をしながらでも働ける状態というのを証明するためにも日にちはきちんと確認する事が重要との事だった。これは証明書を貰う際に職員さんに聞いてみればよっぽど教えてもらえると思う。
あとは週に20時間以上は働くことが可能な状態の項目に丸を付けてもらうだけでOKとの事だった。何か気になるところに関しては備考欄があったが僕の場合は特になしと書かれていた。
この証明書を心療内科で書いてもらい再び申し立てが完了するとの事だったので、僕は病院にすぐ予約をとり、その日のうちに証明書を書いてもらい、その足で再びハローワークに戻り面談を終わらせた。ちなみに心療内科で記入してもらうのに3000円程かかったのと遅い時間だと即日に書けない場合があるとの事だった。
その後約2週間ほどで、雇用保険の説明会の日を迎えて渡された受給資格者証には受給日数300日と記載されていた。後に面談をしてくれた職員さんに話を聞いたら、実は僕が特定理由離職者に該当しませんか?会社とやりあっても構わない。というスタンスだったからどうしようかと思っていたけど、診断書や自立支援医療の受給者証などをきちんと用意していて、これなら就職困難者として話を進めた方が僕にもメリットが多いし自分たちも労力が減って助かると思い話を勧めてくれたが、実は障害者手帳を持っているなどを言われない限りあまりハローワーク側から就職困難者の話は出ないそうだ。あと就職困難者のデメリットとしてはハローワークが企業に求職者の情報を送る時に障害者手帳などがある場合は病状を書く欄などがあるらしいが、無い場合は病状や状態を書いてもいいし書かなくてもいい欄(特に記入する必要のない場合)しかなく空欄になるのがほとんどとの事で僕自身は何のデメリットも無いという。それで300日の余裕を貰え、早く仕事が決まれば6割ほどに減ってしまうが残日数分は再就職手当として貰えるようになる。色々粘って話をしてよかったと心底思った。
最後に、ハローワークの職員さんはこう僕に話してくれた。
「ハローワークに来るときはなるべく制度を事前に調べて、離職の理由の根拠と判断するのに必要な書類や証書、記録などを持ってきてくれれば前向きな話を職員側もしやすい。僕さんの場合は色々判断材料が多くて助かった。」と。
特定理由離職者の時もそうだが、自分の主張に対してきちんと根拠を用意すれば僕のケースのようにきちんと対応してくれる職員さんも多いと思う。なのでこれを見ている人で仕事を辞めよう、辞めてしまったという人は制度を前もって調べて退職理由などを主張する為や、就職困難者として認定してもらう為の判断材料を用意するということを必ずやってみてほしい。その後の余裕のある転職活動のために。
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